干し野菜を作り始めた係員

給付金の申請を済ませ、僕は早急に定価1000円ほどの万能干し網を楽天市場で買ったのだけれど、なぜかと言うと、干し野菜を作ってみたいなー、と思ったからです。

僕は昨年の夏に父を亡くしたのだけれど、その後実家で一週間ほど喪に服し、納税労働のために職場に舞い戻ってきた際に、職場の中年の心優しき女性が僕に憐憫の念を抱いてくれた。どうやらその方も比較的若い時に父親を亡くしているらしく、当時の自分と僕のようなぼんくらを重ね合わせ、その分ものすごく心配してくれた。

そのような文脈の中でその方に頂いたのが干し野菜セットで、当該セットはその辺のスーパーに売っている種々様々な干し野菜パックに自家製の干し椎茸パウダーが付け加えられたもので、その方は、悲しい時はおいしい味噌汁を頂くこと、君のようなずぼらな凡夫は味噌汁もろくに作れないだろうから、とにかくこの干し野菜セットを適量お椀に入れて、そこに味噌を加えて、そんでお湯をぶち込むこと、そうしたらおいしい味噌汁ができるから、それを飲んで元気を出すこと、と粋な励まし方をしてくれた。

正直、僕は味噌汁の作り方を教わった時点で父の死を楽勝で克服していたのだけれど、それはどうでもいいとして、とにもかくにもその方に言われたとおりに干し野菜と味噌をもってして味噌汁を作ってみたところ、とんでもなく美味であり、楽勝で祖母の味噌汁、母親の味噌汁、いわゆるお袋の味というやつを超越していった。びびった。

これ機に僕は干し野菜の凄さを認識し、自分でも作ってみてぇわ、という好奇心が日に日に醸成されていったのだけれど、このような世界の広がりをもたらしてくれる可能性を労働は秘めているため、やっぱり労働は一概に馬鹿にできないんだよなー、というように僕は今現在労働者である自分を少しでも正当化するためのポジショントークを始めてしまったのだけれど、とにもかくにも僕は何らかの因果により干し野菜に感動したわけだ。

そうして迎えた今日、数日前に到着した万能干し網を開封し、買い溜めしておいたタマネギを雑然と切り刻み、干し網をベランダの洗濯ロープにセッツ。そんでタマネギを干し網にセッツ。以上。

夜になったら部屋に取り入れ、日中は外に出す。これをタマネギがカラッカラッになるまで繰り返す。

ささやかながら楽しみが増えた。

よかった。

興味のある人は是非。

P.S.

今日の一曲。

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