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ゲームセンターの教養人・ジーンズの裾あげ・GDP

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先日、府庁へと赴き、狩猟免許なるものを受け取ってきたのだけれど、免許を受け取ることができたのは、試験の合格発表からおよそ1カ月後で、なぜそうなったのかというと、年休、すなわち平日休みなるものがなかなか取得できなかったからです。

ニート時代は今日が平日なのか土日なのかはほとんど気にする必要がなかったのだけれど、会社員という融通の利かない身分に身を窶してしまっている今は平日に休みがないことの不便さを度々痛感している。

特に狩猟免許を受け取る際など、公的機関へ用がある時は絶望的に不便で、本当にまいっちゃうなー、と思うのだけれど、まぁ、しばらくは公的機関に用があることはないだろうからどうそれはでもいいとして、とにもかくにも狩猟免許が手に入った。しかしながら、不幸なことに猟期は2月15日までなので、今期の猟は諦めることにして、来期から長時間労働特化型納税奴隷猟師として動き始めようかしらん。

平日休みはやっぱりええのー、人混みも少ないし、電車も空いているし、各飲食店でランチメニューを享受できるし、と平日休みの優位性をしみじみ味わいながらゲームセンターへと向かい、店内にてしばし人間観察をした。

暇を持て余したおじさんやおばさん、特定のゲームを極めようと切磋琢磨している青年たちをしばし眺めていると、日本一有名なニートであるphaさんも時折ゲームセンターに赴き、100円パチンコで遊ぶことがあるということを思い出し、僕もここで一丁やってみるかー、と思い、パチンコ・コーナーに行ったのだけれど、そこにはおばさんが一人いるだけで、そのおばさんの寂しい感じの姿を見て、一気に萎えて、外に出た。

そしてぶらぶらと歩いて辿り着いたのが「Broken Blue」というお店で、ここは何の店かというとジーンズのリペア専門店なんですね、これが。

僕はミニマリストという高尚な自意識は持ち合わせていないのだけれど、私服用の長ズボンはジーンズ2本しか持っていない。そしてその内の一本の裾が少し長すぎるせいで裾がズタズタになっていて、みっともない感じになっていて、まぁ、それはそれで釣り用にすればいいかー、と思っていたのだけれど、僕の現在居住地周辺には海がなく釣りに行くことが困難であるため、ここはいっそのこと件のジーンズの裾直しをしてもらい、自称ファッションモンスターたちのひしめく京都の街中を歩いても罵詈雑言を浴びせらない程度の可もなく不可もないジーンズとして甦らせてもらおうと思い、ジーンズ・リペア専門店である「Broken Blue」の門を叩いた。

Broken Blueは閑静な住宅街の中にある小さな秘密基地みたいな感じの店で、余りにも目立たないため、二度ほど通り過ぎてしまったのだけれど、実際にはBroken Blueには門はなく、その入り口は普通の引き戸で構成されており、ノックをして、すみませーん、と言うと店主が出て来た。

店主はラップ・バトルの司会として有名な八文字さんのような面構えで、物凄く気さくな方だ。無論、ジーンズの専門家で、その知識や見聞は圧倒的で、店主に頂いたオロナミンCを飲みながらジーンズに関する様々な話を聞かせてもらっている内にジーンズの裾上げは完了していた。仕上げ時間は15分くらいで、値段は1000円。

縫い方はジーンズには鉄板の「チェーンステッチ」という縫い方らしく、この縫い方でこの値段でこの早さで提供できるのは関西でうちくらいですね、ということだったのだけれど、本当だと思う。関東だとチェーンステッチの値段は2000~3000円ほどするという。本当だと思う。

僕は今回アポなしでゲリラ的に訪問して早急に対応して頂いたのだけれど、注文が重なることもあるらしいため、事前に連絡を入れておくと間違いなく迅速に対応して頂けると思います。京都に立ち寄る機会があれば、リペアして欲しいジーンズを引っ提げて来て欲しいと思う。

拝金主義に基づく経済成長至上主義を掲げる今日の日本においてはモノを修理して長く使い続けることは望ましいことではない。例えば今回裾上げをして頂いたジーンズであるが、裾が長すぎてズタズタじゃん、買い替えようよ、そうしようよ、と決断した場合、同モデルの新品ジーンズの値段は12000円であるため、GDPの増加を至上命題としているカルト教団世間教としては、その12分の1しかGDPに貢献しないジーンズのリペアは望ましい選択として論外である。

んじゃあ、その1000円により僕にもたらされた充足感であったり充実感であったりそういった感じのニュアンス的な塩梅の程度っぽい雰囲気のポジティブな実感はどうかというと、そういったいい感じの実感は新品のジーンズを購入した時と同程度、あるいはそれ以上に醸成される。

その充実感は、僕の浅薄で軽薄な人生においてジーンズをリペアしたのが今回が初めてであるということ、長年愛用していたジーンズへの愛着心、つまりは執着心という煩悩を維持することができたということ、店に行くまでに歩いた鴨川沿いの風景の良さや店主との交流、1000円というお得感等により構成されていて、そういった要素で構成されている充実感は値段の多寡、つまりはGDPだけでは決して図ることができない。

それは先述したゲームセンターにいた方々も同じで、おそらく彼らは100円で自分なりの充足感を自分なりに最大化できる術を知っている教養のある方々で、僕にとっては寂しげに映ったあのおばさんも例外ではなく、あのおばさんも実は自分の時間を自分なり充実させる能力をきちんと兼ね備えた教養人であったわけなので、GDPなどアウト・オブ・眼中であーる。すごいなー。

僕はモノを新調することを糾弾しているのでは決してなく、GDPなんてくだらへん、GDPごときで一喜一憂しているなんてくだらへん、ということを言いたいだけなのだけれど、それよりももっと言いたいのはジーンズをリペアしたかったらBroken Blueがおすすめです!ということで、僕はいつも見切り発車で記事を書いてしまうため、話がどんどんと拡散していきどうしようもなくなってしまい、それはもう記事ではなくてただの雑文としか形容できないのだけれど、記事ってそもそもどうやって書けばいいのかしらん、という風にまたあらぬ方向へ話が拡散していこうとしているので、今回はこの辺で強制終了して、これから件の裾上げしたジーンズを穿いて散歩に行こうと思う。

P.S.

週一くらいしか外出しないのでジーンズ2本も要らないかもしれない。

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