係員と日々

帰省と亡き愛犬

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明日から労働だ。

我が自称先進国日本では多くの会社員にとっての大型連休は時期が共通しており、それらの連休が始まるとゲルマン大移動よろしく自称先進国民が一斉に帰省を開始し、自称先進国土のそこここが凡夫たちでごった返し、ほんとヤになっちゃうなー、となる。

ニートやフリーター時代は実家にいたり、時間の融通がばりばりに利いたので、そもそも帰省する必要がない、あるいは帰省ラッシュ・Uターンラッシュという社会的リズムに取り込まれない、というわけで、僕は大型連休の日々を楽勝で過ごし、TVに映る満身創痍で帰省している人々を、可哀想、と大日如来の慈悲の目をもって脳髄を腐らせながら眺めていたのだけれど、諸行無常という理により会社員という納税奴隷に身を窶してしまった今となっては状況は一変し、楽勝な日々は霧散霧消し、僕も帰省ラッシュの荒波にもまれて右往左往するテレビ画面に映る憐れな凡夫の一員になってしまった。

大枚をはたいて嫌いな人混みに飛び込んでいく、これほど馬鹿なことなないわけで、もういっそ帰省するのはやめようかしらん、と思っていたのだけれど、ふと大学時代に味わった悔悟の念を思い出した。

あれは大学3年の冬休みで、僕は目の前の金惜しさに帰省しない選択をしたのだけれど、帰省していれば確実に家にいたであろう日に諸行無常の理によって愛犬が死に、とてつもなく後悔をしたことがある。

それが人であれ犬であれ、大切な存在の死をどう解釈するかはその人の自由であるけれども、僕が愛犬の死から学んだことというのは、大切な奴には会える時にはちゃんと会っとけワン、ということで、直接的な体験を通じて学んだことを活かさないやつというは馬鹿なのだけれど、となるとここで僕の中で二つの馬鹿が正面衝突してしまう。

つまり、大枚をはたいて嫌いな人混みに飛び込んでいくという馬鹿と愛犬の死をもって学んだことを活かさないという馬鹿の全面戦争ということなのだけれど、色々と悩んだ挙句、今回は後者が勝利を収め、帰省することにした。

帰省し、『ブレイキング・バッド』を見まくり、墓参りに行き、姪っ子に服を買い与え、母親と妹夫婦と食事をし、愛犬の散歩と洗浄を済ませて帰ってきた。

余りの人混みに疲れ果てたものの、後悔はない。

ということは正解だったということで、よかったぜ。

ありがとう我が亡き愛犬。

と思ったのも束の間、明日から労働だ。

労働だ。

P.S.

労働だワン。

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